日本ではいくつかの国と同様に、家庭から出るゴミは分別し、それぞれのゴミの指定日に出すのが普通となっています。金属、プラスチック、ガラス、可燃物、不燃物などが一般的な分類です。一番の理由はリサイクル率を高め、埋立率を減らすことにあるのはいうまでもありません。

しかし、ここ青島では事情は少し異なり、どのような種類のゴミでも全部まとめて、日にちも問わずに捨てることができます。どの家庭にとってもこれほどシンプルなことはないですね(というか、仮に分別しろ、といってもするかどうか疑わしいですが)。好きな時にゴミは出せるし、毎日、回収もしてくれる。

じゃぁ、一体リサイクルはどうなるの?

空き瓶や空き缶、プラスチック容器、紙など、本来であればリサイクル可能なゴミも一緒くたに埋め立て用にまわるの?
と思いますよね?

からくりはあるんです。こちらでは種類別にゴミを集める人たちが本当にたくさんいます。空き瓶についてはすでに述べたとおりですが、そのほかにもプラスチック容器専門、金属専門、紙専門などもよく見かけます。電話での依頼に応じて、直接ゴミを回収しに来てくれることもありますが、ほとんどは住居区域におかれている公衆のゴミ箱を巡り、その専門とする分野のゴミを選り分けているようです。

たとえば夕方の6時に街に出てみると、そこここのゴミ箱は、それこそあふれ出したゴミがゴミ箱を囲むような有様です。でも夜の11時、来た道を通り帰宅するころには、それらのゴミ箱からはごっそりとゴミが抜き取られ、価値のないリサイクル不可能な、最終的に埋め立て用に使用されるであろうものを残すばかりとなります。

初めてゴミ箱の周りでペットボトルを漁っている人を見たころは、とても下品だと思うと同時に悲しい気持ちにもなりました。でも、このこともゴミを分別し、リサイクル率を上げ、ひいては人々に仕事を与える社会の一形態だと言えるでしょう。そうやって考えると、当初の自分の感想に変更を加えざるをえません。